雲と私情

創作品

処世術(夜明け前に、)

嫌いという言葉は人の意識か感情か、20を超えてもわからない。嫌いなものを上手く処理できないから大人に成れずに居るのだろう。

人が他人の事を嫌いだと思うのは大方、他人に見出される悪が自分の中にも内包されているからなのだと思う。自分と世界は切り離せないし、世界の内に他人が居て、他人の内に悪があるなら、その悪は畢竟自分と繋がっている事になる。世界と言う言葉が抽象的なら、地球と言っても構わない。同じ重力、同じ物理法則の星の上に、自分とは異なる他人が居ながら、その他人は自分と同じ様に当然の様にこの地球に帰属している。仲間であるとか意図する前に、否応がなく、日常で数百数千の他人と関わるし、77億人の他人が同じ星に居る。その他人に宿った悪性を、全くの無関係だと自覚的に決別するのは難しく、精々が無意識的に撥ねる程度なのだろう。僕もそうだ。だからそれが劣等コンプレックスとして働いて、嫌いという言葉に成って出て来る。或いは他人の、理解し難い気味の悪い性質が、地球上ひいては自分に内在している事を否定したくて、これもまた無意識的に突っ撥ねる。

何が言いたいかと言うと、人間は碌でもないって話だ。主観がある以上、自分と他人との比較は避けられないし、生きている上で度々、他人の気持ち悪さや心無さがそのまま自分にも当てはまる様に感じてしまう。自分も含めて人間は愚かでどうしようも無い。性悪説なんて大仰なものじゃなく、ただただ如何にもできない愚かさを、自分も他人も内包している。

嫌いな物を嫌いと思う理由を考えると、最終的には自分に行き着く。許せないことなんて無いとか言うが、何かを嫌いと思ってしまう以上、僕に許せないことは沢山ある。

けれど、そんな事を考えて自分を責め続けるのは馬鹿らしいので、他人の嫌いな部分はある程度意識的に突っ撥ねて良いのだと思う。嫌いな物を意図せず呑み込むのは感情的で良くない。どうでもいい他人なら尚更、疲れるし関わっても良いことがない。意識とか無意識とかで俯瞰的にカテゴライズした方が処理が機械的になって楽だ。線引きが大事。

自分と他人を比較することで劣等コンプレックスが働けばアイデンティティの喪失とかの問題も出てくるが、他人と他人の比較なら楽だし楽しい。自分と性格や趣味嗜好が離れている全くの他人を観察していても、自分とある程度近しい他人と、良く似ている側面を持っている事に気づいたりする。その事で間接的に繋がりを感じられる。自分には理解できない法則が可視化されて楽しい。飽くまで間接的であり、他人は他人、わからないものはわからないけど。

自分のパーソナルスペースが直径何メートルなのかは推し量れないが、僕は嫌いな物が多すぎるから、範囲はきっと極端に狭いのだろうと思う。数える程しか居ない人達の他は飽くまで他人で、近い遠いの程度はあれど、そいつらが死に瀕していても内臓を差し出そうとかは思えない。自分が生活に困ったら内臓は売るかもしれないが。

主観客観を相対的に見て自分の悪さを探してもキリが無いし、良い奴振らずに自分の考えを突き詰めた方がきっと建設的だ。できれば意識的に、嫌いなものを撥ねたい。邪魔せずに否定したいね。

 

 

 

〜最近のインプット〜

 

・ヨルシカ

夜行、花に亡霊の新曲2つに、フルアルバム「盗作」の発表。後者に関してダーティなアルバムになると聞いてはいたが、ティザー動画の様な物になるとは正直予測できなかった。エルマ、エイミーの物語の様に、今回もアルバム2つで1つのコンセプトをやるんじゃないかと思う。

 

レベッカ

巨匠ヒッチコックのサスペンス。アマプラで視聴。大胆かつ繊細な描写が良い、役者の芝居とカメラ回しで脚本を生かし切っている。二転三転する物語、もとい一転一転に醍醐味が感じられた。

 

インターステラー

クリストファー・ノーランのSF。Netflixで視聴。純度の高い科学的描写に種の存続や人生観が織り交ぜられていて学ぶところが多かった。冒険映画という観点から観ていたので、心情描写を純朴な気持ちで楽しめたと思う。

 

ペンギン・ハイウェイ

観れずにいたアニメ映画がアマプラにあったので視聴。SF。“海”がいつか自分の夢に出てきた水の球体とそっくりで驚いた。映像も綺麗。近未来感と少年期のノスタルジーの掛け合わせはピンと来るところが少なく、疾走感に乗り切れなかった。

 

イエスタデイをうたって(アニメ)

最新話まで。タイトルは昔の邦楽曲に由来するらしい。恋心の移り変わり、人間関係の移り変わりを描いていて、観ていて楽しいが、最近は良く分からなくなって来ている。流動的であるにも関わらず同じ所を漂っているみたいで、季節耕してんな〜という感想。愛とはなんぞや→もっと映画とか観ると良いんじゃない?……

 

僕のヒーローアカデミア 1期〜3期(アニメ)

公式のYouTubeNetflixで観た。盛り上げ方が上手い、観てて作者の頭の良さとか考えてしまう。4期、別のサブスクのトライアル期間で観るしかないですか?

 

BLEACH(アニメ)

アマプラ。幼少期にジャンプ作品に触れなかったので今更これを観ている。尸魂界編まで。あと少しすれば朽木白哉(顔が好き)の夢女子に成れそう…ってとこで現世に戻された。

 

チェンソーマン

単行本最新巻まで。はっちゃけていて面白い。作風からか、一読しただけではシリアスな描写を据えた目で真面目に見ることができなかった。打ち上げのシーンとタマ撃ち大会が好き。マキマさんも好き。

 

テラスハウスTokyo 2019-2020

Netflix。最近問題になっている死去したメンバーが、入る前の回まで観た。前にも書いたが、恋愛関係の移り変わりとかが馬鹿らしくて良い。作品として、善し悪し抜きでエンターテインメントだと思う。

 

 

〜近況報告〜

 

・ギターのコードチェンジが難しい。本腰を入れて鳴らして行こうと思う。

 

・会社での胡麻の摺り方がわからないので、胡麻摺り器の購入を検討している。